活動報告 REPORT

2021.07.01 令和3年6月定例会

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令和3年6月定例会が開かれ、以下の質問を行いました。

質問項目
1 新型コロナウイルス感染拡大時に備えた保健所の体制強化と積極的疫学調査の徹底について
2 新型コロナウイルス感染症に係る後遺症への対応について
3 県庁における危機管理体制の強化について
4 民間企業と連携したがん対策及び健康対策について
5 船舶産業事業者への支援について
6 旧広島陸軍被服支廠について
7 生理の貧困について
(1)「生理の貧困」対策について
(2)県立学校での対策について

1.新型コロナウイルス感染拡大時に備えた保健所の体制強化と積極的疫学調査の徹底について

質問
新型コロナウイルス感染拡大時に備え、保健所の更なる体制強化や他市町との連携強化を図り、積極的疫学調査を徹底する必要があると考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。

答弁(湯﨑知事)
新型コロナウイルス感染症対策において保健所が行う積極的疫学調査は,感染拡大を防止する上で,最も重要な業務でありますことから,保健所の人員と体制の強化に引き続き取り組む必要があると認識しております。
これまで,保健師が積極的疫学調査など専門的な業務に専念できるよう,

・コールセンターへの窓口業務の委託
・感染者やPCR検査の検体の搬送業務の委託
・全県の入院調整を一元的に集約して行う医療調整本部の設置

などにより,保健師の業務負担軽減を図るとともに,

・新型コロナウイルス感染症情報を把握するシステム,いわゆるHER-SYS(ハーシス)の入力支援のための人員の配置
・行政経験等を有する保健師の登録制度の活用
・市町の保健師による応援体制の強化

などにより,人員と体制の強化に努めております。
さらに,6月14日から,事業所で感染者が発生した場合に,その事業所の従業員を対象に幅広くPCR検査を実施しており,この取組を通じて早期に感染の連鎖を遮断することにより,積極的疫学調査を補完することができるものと考えております。
こうした取組を通して,感染拡大を早期に抑え込むことは,更なる感染拡大に伴う業務量増を防ぐこととなり,保健師並びにコロナ対策業務全般の軽減にもつながるものと考えております。
また,本年4月の組織再編により設置した健康危機管理課に,新たに,研修・人材育成担当を配置しており,若手や中堅を中心に保健師の育成を充実させることとしております。
今後とも,新型コロナウイルス感染症対策の要となる保健所の人員と体制の強化を図ってまいります。

2.新型コロナウイルス感染症に係る後遺症への対応について

質問

新型コロナウイルス感染症に係る後遺症について、現状を広く県民に周知するとともに、東京都の取組のように後遺症相談窓口を設けるなど、生活に支障をきたしている方の把握と適切な対応が必要と考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。

答弁(木下健康福祉局長)

新型コロナウイルス感染症の回復後の経過については,未だ不明な点が多く,医学的,社会的,経済的な課題があると認識しております。
このため,本県においては,広島大学との官学連携による検査研究体制構築事業の中で,退院患者のフォロー調査や,本県独自のデータ収集システムを用いた分析を行い,後遺症の実態把握に努めているところでございます。
退院患者141名に行ったフォロー調査では,過半数が何らかの後遺症を感じており,

・内訳は,咳が14.9パーセントで最も多く,次いで,嗅覚障害,味覚障害などで

あったこと

・年代によって,頻度の高い後遺症の症状が異なること
・退院後の相談先としては,病院が約5割,保健所が約3割であったこと

などが判明しております。
引き続き,県内の状況把握に努めるとともに,国の研究や他の自治体の動向について,情報収集し,医療関係者の御意見も伺いながら,必要な対策を検討してまいります。

3 県庁における危機管理体制の強化について

質問

今後も豪雨災害や巨大地震の発生が予測される中で、危機管理センターの本館への移転や、組織のあり方の見直しなど、危機管理体制の一層の強化を図るべきと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。

答弁(湯﨑知事)

大規模災害時には,速やかに被害の全体像を把握した上で,関係機関と情報共有を図り,連携して的確な初動応急対応を行う必要があることから,これらを迅速に行うことのできる危機管理体制の構築が重要であると考えております。
このため,本県では,平成20年度に,知事が直接指揮命令し,迅速な対応を行う組織として,危機管理監を設置したところでございます。
同時に,県職員と気象台や自衛隊などの関係機関が連携して活動するための危機管理センターを整備いたしました。
実際に災害が発生するおそれがある場合には,組織横断的な対応を行うため,私が本部長を務め,各局長等を本部員とした災害対策本部を設置し,全庁的に緊密な連携や情報共有を図り,災害対応を行ってまいりました。
しかしながら,平成30年7月豪雨災害では,夜間において,広域かつ同時多発的に発生した大規模災害であったことから,特に発災当初における災害の全体像の把握や関係者との情報共有に時間がかかり,迅速・的確な対応を十分に行えなかったところでございます。
こうしたことから,県では将来の大規模災害に備えるため,当時の初動応急対応について検証を行い,課題の改善・解消に取り組んでおります。
組織の体制につきましては,危機管理監を局長級とし,災害対策本部事務局の総括として,各局を統制する機能や,防災関係機関との連携がより発揮されるよう,見直しを行ったところでございます。
また,施設面につきましては,大規模災害発生時等に私が直接指揮を執ることができるオペレーションルームを危機管理センター内に整備いたしました。
併せて,防災関係者が一同に会して,迅速・的確な救助活動や被災者支援などが実施できるスペースを確保したところでございます。
これらの整備に当たりましては,大規模地震や水害などへの対応も想定し,耐震性が高く,屋上に非常用電源を備えた北館に設置したところでございます。
今後とも,万が一,大規模災害が発生した場合でも,統制のとれた指揮命令系統のもと,関係機関と連携を図り,全庁を挙げて迅速・的確な対応を行えるよう,危機管理体制の一層の強化に努め,県民の皆様の安全と安心の確保に万全を期してまいります。

4 民間企業と連携したがん対策及び健康対策について

質問

「がん対策日本一」の実現を目指す本県として、県内どこでも、あらゆる場面に対応する総合的ながん対策を推進していくため、民間企業の力をさらに掘り起こすなど、がん対策や健康対策の充実を図るべきと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。

答弁(木下健康福祉局長)

本県におけるがん対策につきましては,

・がん予防・がん検診
・がん医療
・がんとの共生

の3つの分野を施策の柱とした総合的な対策を推進しており,市町や保険者に加え,民間企業とも一体となった取組を進めることが重要であると考えております。
このため,がん検診につきましては,これまでの取組で効果の見られた中小企業への個別訪問による受診の働きかけや,民間ノウハウを活用した受診勧奨など,民間企業と連携した取組を進めているところでございます。
また,コロナ禍における受診控えに対応するため,「検診機関等では十分な感染症対策を講じていること」や「がん検診は不要不急に当たらないこと」を周知するとともに,昨年末には検診の「予約強化事業」も実施いたしました。
こうした取組により,県内の主な検診機関における受診者数は,昨年度の第1四半期には対前年度比4割減まで落ち込んだものの,年度末には1割減程度まで回復してきたところでございます。
健康対策に関しましても,民間企業と連携した取組に注力しており,昨年度から,従業員の健康を重要な経営資源と捉えて「健康経営」に積極的に取り組む優良企業の表彰を開始し,今年度からは,健康経営を実践する企業の拡大・充実を図る取組も,協会けんぽや企業経営者の団体等と協力して開始したところでございます。
コロナ禍におけるがん検診の受診率向上など,総合的ながん対策や健康対策の取組を,民間企業との連携を活用しながら一層充実させることにより,人生100年時代を見据えた「健康寿命の延伸」を実現してまいります。

5 船舶産業事業者への支援について

質問

他国との競争や新型コロナウイルス感染症の影響により苦境にある本県の船舶産業について、地域経済と雇用を支える重要な産業として守る必要があると考えますが、県は、これまでどう取り組み、今後どう支援していくのか、併せて知事にお伺いいたします。

答弁(湯﨑知事)

造船業を始めとした船舶産業につきましては,これまで本県経済や雇用を支えてきた重要な産業であり,今後とも,競争力の維持・強化を図っていくことが重要であると考えております。
船舶産業は,中国・韓国の台頭による国際競争の激化に加え,コロナ禍の影響による世界経済活動の停滞など厳しい経営環境の中にあり,長期的には,世界的な脱炭素化の流れに対応した技術開発にも取り組む必要があるなど,将来を見据えた総合的な対応が求められております。
また,海運業を含む海事産業においても船員や造船技術者等の高齢化が進み,人材不足が構造的な課題となっている中,新型コロナウイルス感染拡大により,採用活動が制限されるなど産業を支える人材の育成・確保が一層厳しい状況となっております。
こうした中,これまで

・既存工場等の生産性向上に向けた投資にも利用できる企業立地促進助成制度による支援や,
・ものづくり企業の持続的な発展の原動力となる研究開発への支援

など,設備投資や研究開発を支援するとともに,新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けている県内船舶関連企業については,

・雇用調整助成金の活用促進や迅速な資金繰りの支援
・事業再構築補助金やものづくり補助金など国の支援制度の活用促進

などにも取り組んでまいりました。
一方で,海外における生産活動の回復などにより海上コンテナの需要が増加するなど海運市場の活況の動きも報じられており,今後の状況にも注視する必要があると考えております。
今後につきましては,船舶産業が,国の「カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」の重要分野の1つにも位置付けられていることを踏まえ,県内の船舶産業関係事業者の皆様のニーズを把握し,直面する課題の共有や必要な対策について検討していくとともに, 国に対しても働きかけを行ってまいりたいと考えており,激化する国際競争や,人材不足の深刻化など厳しい環境に置かれている本県船舶産業の支援にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

6 旧広島陸軍被服支廠について

質問

県は、保存・継承に向けて国の重要文化財の指定に全力で取り組むとともに、利活用策については、平和を発信するためにどう生かすのかという観点で議論を進めるべきと考えますが、今後、どういった方向性で重要文化財の指定や利活用策の検討を進めるのか、知事のご所見をお伺いいたします。また、世界遺産への登録を視野に入れることについて、併せてご所見をお伺いいたします。

答弁(湯﨑知事)

旧広島陸軍被服支廠の価値につきましては, 令和2年12月に取りまとめた詳細調査において,有識者からは,最古級のRC造建築物が連続して500メートルに及ぶ歴史的景観が残されていることが,国指定の重要文化財級の価値がある旨の意見が示されたところでございます。 
こうした意見を踏まえ,被服支廠の建築物としての価値を明らかにするためには,県において学術的な調査を実施し,文化財としての価値を明確化したうえで,文部科学大臣に対し重要文化財指定の意見具申を行う必要があることから重要文化財の指定に向けた建築物の価値調査に取り組んでまいりたいと考えております。
この重要文化財指定に向けた取組につきましては,有識者による「安全対策・価値調査等検討会議」を設置し,意見を聴取するとともに,文化庁からもオブザーバーとして,参加いただき,専門的な助言をいただきながら,令和4年度末を目途に,調査を進めてまいります。
次に,活用の検討に当たりましては,今後の重要文化財指定を見据え,指定後に必要となる建物の管理・活用の方向性等を定める保存活用計画の検討を進めるため,

・これまで本県において検討されてきた利活用構想の内容や
・全国における煉瓦建物等の活用事例
・広島市から提案のあった被爆建物としての価値の継承などを踏まえながら,活

用の方向性を明らかにしていく必要があると考えております。
このうち,全国の活用事例といたしましては

・博物館やイベントスペースなど,建物が持つ広大な空間の活用
・ホテルやスポーツ施設など,新しい魅力の提供による建物の価値の継承への貢献
・会議室など,県民・市民の皆様への幅広い開放などの多様な活用事例があり,こ

れらを参考に検討していくほか,平和の発信の場など,建物の価値を活かした活用についても検討してまいります。
なお,活用の検討の進め方につきましては有識者等で構成する「建物の活用の方向性に係る懇談会」を設置して,令和4年度末を目途に活用の方向性を取りまとめたいと考えております。
また,世界遺産への登録につきましては,登録の前提として,国宝や重要文化財など,国により指定された文化財であるとともに,建物の管理・活用の方向性等定められていることが必要であると示されていることから,県としては,まず,重要文化財指定の前提となる建築物の価値調査に取り組んでまいりたいと考えております。

7 生理の貧困について

(1)「生理の貧困」対策について

質問

他県の事例も参考にしながら、県として「生理の貧困」対策に積極的に取り組むべきと考えますが、この問題をどのように捉え、どのようなサポートをしていかれるのか、知事にお伺いいたします。

答弁(新宅環境県民局長)

新型コロナウイルス感染拡大は,とりわけ女性に対して,様々な形で深刻な影響を与え,経済的な理由で生理用品を購入できないといういわゆる「生理の貧困」問題が顕在化しており,女性の心と身体に関わる重要な課題であると捉えております。
県内では,12の市町において市町庁舎,保健センター,社会福祉協議会,小・中学校などで生理用品を配布する取組が始まっているほか,このうちの一部の市町では,必要に応じて,生活困窮者の相談やDVなどの家庭内の問題に関する専門の窓口につなげて支援するなど,背景にある複合的な課題の解決を目指した取組も進められております。
これまで,県内で200人を超える方が生理用品を受け取られており,市町からは,

・「仕事が減るなど,コロナの影響を受けて,経済的に困窮した相談者が多くいた」
・「ひとり親家庭の方について,担当部署につないで専門的支援を行った」
・「困難や不安を抱えながらも,支援が届いていない女性が多くいると感じた」

などの声を伺っております。県といたしましては,

・単に生理用品の提供だけでなく,それを1つのきっかけとして,女性が抱える背景や事情に向き合った相談支援につなげる取組事例の紹介や,
・地域女性活躍推進交付金などの国の動向について市町に情報提供するほか,
・防災備蓄品の見直しに当たり,生理用品の更新時の活用を検討するなど,

関係部局が連携して,市町の取組を支援してまいります。
更に,県内企業から,生理用品提供の御提案をいただいており,エソール広島,ひとり親家庭サポートセンター,わーくわくママサポートコーナーなどの女性が直接相談に訪れる窓口での配付を含め,女性に寄り添った取組を検討してまいりたいと考えております。

(2)県立学校での対策について

群馬県では、全ての県立学校などで生理用品の配布ができる体制の準備を進めており、県立の大学・高校・特別支援学校の全校で、6月中にトイレへの配置が完了し、保健室でも配布するとのことです。また、東京都においても、全都立学校の女性用トイレへの配備を9月から始めるとしており、神奈川県では、モデル的に県立学校12校への配備を始めたそうです。

質問

東京都や神奈川県の事例を踏まえ、本県の全県立学校の女性用トイレに生理用品を設置してはどうかと考えますが、教育長のご所見をお伺いいたします。

答弁(平川教育長)

県立学校におきましては,これまで,児童生徒が,生理用品を急に必要とする場合に,いつでも入手できるよう,各校の保健室に備え,提供しているところでございます。
今般,新型コロナウイルス感染が拡大する中,顕在化した「生理の貧困」の問題は,児童生徒が安心して学校生活を送る上で,重要な課題であると捉えております。
こうした中,東京都では,本年9月から都立学校で,女子トイレでの生理用品配付を開始される予定で,神奈川県においては,6月から,同様のモデル事業を開始されたと伺っております。
県教育委員会といたしましては,こうした他県の状況等を注視しつつ,今後,県の防災備蓄品としての生理用品の更新時の活用など,関係部局と連携して,「生理の貧困」問題への対応について,検討を進めてまいりたいと考えております。

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